いびき・睡眠時無呼吸症候群

皆さん、突然ですが、こんなお悩みございませんか?

眠っているとき
・かなり大きないびきをしている
・家族から、息が止まっていると心配をされる
・寝ていても息が苦しくて目が覚める

朝、目が覚めたとき
・以前に増してのどの渇きを感じることがある。
・すっきりと目を覚ますことができない。
・目覚まし時計を使っているのに起きられないことがある。

起きているとき
・日中、突然強い眠気に襲われる
・全身にだるさを感じ、疲れが一向にとれない。
…これらは、睡眠時無呼吸症候群が原因である可能性が高いです。
睡眠時無呼吸症候群は、放置すると、日常生活に様々な支障をきたし、場合によっては、命の危機に瀕する恐れがある病気です。

いびき・睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは

睡眠時無呼吸症候群(以下SAS)とは、睡眠中に呼吸が一時的に停止する状態を繰り返す病気です。この病気は、睡眠の質を低下させるだけでなく、日中の強い眠気や集中力の低下を引き起こし、さらには心臓病や脳卒中のリスクを高めることで知られています。 症状としては、いびき、睡眠中の呼吸の一時停止、日中の過度の眠気、朝の頭痛、集中力の低下、気分の落ち込みなどが挙げられます。これらの症状が見られる場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があるため、医師の診断を受けることが重要です。 昼間の眠気と集中力低下により、自動車事故を通常の人の数倍は起こしやすく、患者個人の身体的な損失だけでなく、社会的な損害も問題となっています。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の主な合併症

SASは、冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞)や脳血管障害(脳出血や脳梗塞)を合併する頻度が高く、生活習慣病(高血圧、糖尿病やメタボリックシンドローム)の発症リスクになります。特に重症SAS(1時間に30回以上の無呼吸あるいは低呼吸がみられる状態)を放置すると、心筋梗塞の発生が3倍程度に高まり、10年間でSASの患者さんの約1割が死亡するといったデータもあります。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因

軟口蓋や舌根部分で気道が閉塞してしまい、息が出来ない状態になるためと症状が現れます。 小顎、下顎後退、軟口蓋肥大、口蓋扁桃肥大、 巨舌などが単独や複合して影響し、上気道が狭くなることが原因と考えられます。 遺伝子的に欧米人と比べてアジア人は顎が小さく特有の顔・顎の骨格であり、肥満がなくても睡眠時無呼吸症候群(SAS)が発生することがあります。 また一般的に加齢に伴って睡眠時無呼吸症候群(SAS)が増加する傾向にあるとされており、重症化すると以下の症状がみられる場合があります。 いびき(90%)、昼間眠気(55%)、睡眠中の呼吸停止(62%)、起床時の口内乾燥(43%)、悪い寝相(32%)、熟睡感の欠如(31%)、倦怠感(25%)、夜間の2回以上の排尿(21%)、寝汗(20%) 昼間眠気の程度を評価するためにエプワース眠気尺度(ESS:Epworth Sleepiness Scale)という自己記入式問診票などがあります。

 

 

睡眠時無呼吸症候群のチェックリスト

ご本人または、ご家族に以下、
*2項目以上あてはまる場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があるため、早めの受診をおすすめします。

 

~自己診断のためのチェックリスト~

□「 ほとんど毎晩いびきをかく」と、家族や周囲の人からいわれる。
□「 睡眠中に呼吸が止まる」と、家族や周囲の人からいわれる。
□ しばしば、首を絞められたような窒息感で目覚める。
□ 寝汗をかくことが多い。 □ 夜中に2回以上排尿で起きる。
□ 寝相が悪い。
□ 朝、目を覚ましたときにスッキリしない(熟睡感がない)。
□ 日中に眠気が強く、目を覚ましているのがつらいことが多い。
□ 居眠り運転で事故を起こしたことがある。
□ 体がだるい。
□ 肥満の傾向がある。
□ 血圧が高い

 

睡眠時無呼吸症候群の簡易検査

睡眠時無呼吸症候群の簡易診断装置は、家庭や非専門の医療環境で使用されることを目的としており、睡眠時の呼吸パターンや関連するデータを記録するための装置です。 これらの装置は、完全なポリソムノグラフィ(睡眠検査)の代わりにはなりませんが、初期スクリーニングや継続的なモニタリングのためには、有用な検査機器です。その簡易診断装置は、睡眠中の呼吸の状態と酸素飽和度や睡眠中の体位などを調べることで、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いがあるかどうかを判別します。

 

睡眠時無呼吸症候群の精密検査

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の精密検査は、主にポリソムノグラフィ(PSG)と呼ばれる睡眠研究を通じて行われます。この検査は、基本的には、検査入院を伴う検査で、睡眠の質と構造、呼吸パターン、心拍数、酸素飽和度など、睡眠中のさまざまな生理的変化を詳細に記録します。これにより、睡眠時無呼吸の存在と重症度を正確に評価することが可能となります。

 

睡眠時無呼吸症候群の治療

 

■CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸)療法 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療法の一つとして、CPAP療法が広く用いられています。CPAP療法は、睡眠中に気道を開放し続けるために、連続的な陽圧を気道に供給します。この圧力によって、気道が狭くなることを防ぎ、無呼吸や低呼吸の発生を減らすことを目的とした睡眠時無呼吸症候群の治療法の一つです。

 

CPAP療法の原理

CPAP装置本体から、鼻に装着したマスクを通して設定された陽圧を気道に送り、気道を広げて無呼吸が起きないようにします。CPAP装置は、空気を一定の圧力で患者の気道に送り込みます。この圧力は、睡眠中に気道が狭まるのを防ぐために用いられ、気道の開放維持: 睡眠中、特にREM睡眠中に、筋肉がリラックスすると、喉の筋肉も弛緩し、気道が狭まることがあります。

CPAPによって提供される連続的な空気の流れは、これを防ぎ、気道を開放した状態に保ちます。また、無呼吸・低呼吸イベントの減少: 正常な呼吸パターンを維持することで、無呼吸(呼吸が完全に停止する)や低呼吸(呼吸が非常に浅くなる)に陥る可能性を減少させます。

 

CPAP療法のメリット

CPAP治療を適切に行うことにより、以下の効果が期待されます。

・いびきの減少

・睡眠中の呼吸停止の減少

・睡眠の質の改善

・日中の眠気や疲労感の減少

・長期的な健康リスク(心臓病、高血圧など)の低減

などの症状の改善・緩和が考えられます。

 

CPAP療法の注意点

CPAP療法の注意点について紹介をします。

CPAP療法は、症状の管理には効果的ですが、根本的な原因を治療するものではありません。

また、CPAP療法は、定期的なフォローアップと装置のメンテナンスが必要となります。
使用に際しては、マスクのフィット感や圧力設定などの問題が発生することがあるため、定期的に医師に治療の経過や判断を伺うことを推奨します。