咽喉頭異常感症

ノドの異常感を訴えて来院する患者さんは多く、このうち50%の患者さんには蓄膿症や慢性扁桃炎、咽喉頭炎などの慢性炎症がみられます。その他、貧血、糖尿病、甲状腺の病気、ノドや食道の癌などでも同じような症状がみられます。しかし、訴えに見合うような異常が、どんなに精密検査をおこなってもみつからないことがしばしばみられます。これは癌の不安や心身症による他、自律神経が不安定なために現れることが少なくありません。ノドには自律神経が密集していますので、特に症状が現れやすいのです。また更年期には自律神経失調の状態になりやすく、更年期障害の患者さんの80%がノドの異常感を訴えるといわれています。なお、ノドの癌は男性に圧倒的に多く、女性でノドの癌になるのは男性の30分の1とされています。従って、中年の女性で生理が不順になってきた方は、耳鼻科の検査で異常がなければ、放っておいても数年で症状がなくなることがほとんどですので心配いりません。ただ、その間の症状がどうしても気になる方には漢方薬などの薬もありますので、試してみるのも良いでしょう。また、数か月に一度耳鼻科を受診してノドの状態のチェックを受けるのも、患者さん自身の不安解消には役立つでしょう。